2013年4月8日月曜日

ダブル・ストロークには2種類ある

 片手で行う2連打の事をダブル・ストロークと言います。

 まず、ダブル・ストロークには、私は2種類あると考えています。それぞれグリップ(スティックの持ち方・握り方)、腕・手首・指の使い方が違います。解説の為にそれぞれダブル・ストロークA、Bとします。

ダブル・ストロークA

 1つ目は、左右の手の甲を外向きに、親指を上にして構え、リバウンドを押さえつける奏法。腕1振りにつき2つ叩きます。1つ叩いてリバウンドしたスティックを押さえ、ついでにもう1発鳴らしてしまう感覚です。

 

 注意すべきは、放っておくと3発以上鳴ってしまうため、2発目の直後に素早くスティックを引き上げる事です。慣れてきたら、動画のようにスピードを上げていきます。この時、なるべくアクセントがつかないように、2発ずつが均一な音量・音色になるように気をつけましょう
 ダブル・ストロークAのメリットは、とにかく音がクリアな事と、速くて細かいプレイに適している事。デメリットは、遅いプレイに不向きで音量は出ない事です。ハイハットの細かいフィルイン、スネアの装飾音符等に応用します。

・ダブル・ストロークB

 もう一種類のダブル・ストロークの奏法は、ずばり「頑張って2発叩く奏法」です。
ともかく、動画をご覧になって下さい。



 普通に手の甲を上に構え、片手で2連打をしてみて下さい。2発目が小さくならないようにです。
ゆっくりだと可能ですが、スピードを上げていくとどうしても2発目が弱くなります。しかし頑張って練習し続けていくと、半年後くらいにはある程度のスピードでもしっかり2発叩けるようになります。もちろん速いスピードではリバウンドも多少使いますが、あくまで2発叩く延長上のものと考え、ダブル・ストロークAとの奏法と音の違いを意識しましょう。こればっかりは根気良く、速くなると信じて練習していただくしかありません。

 唯一、近道があるとすれば、多少強引ですが「1発目を弱く、2発目を強く叩く練習」をすれば、ダブル・ストロークBは効率良く強化できます。

 また、速いプレイの場合、1発目は普通に、2発目は手首中心でスティックを振ると演奏しやすいです。この時グリップに関しては、スティックを手の平全体もしくは中指・薬指・小指あたりで包んでなるべく手の中で動かないようにすると、手首を有効に使えます。
 ダブル・ストロークBは、特にスネア・タム・フロアタムによく使います。メリットは音量を出せる事、デメリットは、スティックコントロールを主に手首で行うため、小さい音量、細かいフレーズの演奏が難しい事です。

 以上、まずダブル・ストロークには2種類あるという事、それぞれグリップと奏法と音質が違う事を認識しましょう。片方だけしかマスターしていないと、音量が足りない・スピードに限界がある・コントロールし切れていないといった状態であるために、結果として何年やってもテクニックの幅が広がらない事につながります。何を隠そう、私橋本自身が、ダブル・ストロークBの存在を知り身につけたのはわずか数年前です。

 逆に、この2種類をマスターする過程で、スティックを引き上げるアップ・ストローク、手首でのスティック・コントロール、親指でのフィンガー・コントロールの3つの練習が同時に行えますので、マスターするまで時間はかかれど、違う面から見ると効率が良いようにも思います。
 この項目は、難易度が高く複数の技術が必要なので、特にドラムを始めて日が浅い方にはすぐにマスターできるものではありません。まずは2種類ある事を認識し、焦らず根気よく取り組みましょう。

 次回は、メトロノームを使ったダブル・ストロークの練習方法を公開します。

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